骨粗鬆症は、閉経をした女性には関わりがある疾患です。
定義としては、若いころの骨密度の80%から70%以下の状況を骨粗鬆症としています。
70%なのか80%なのかは、状況により条件が変わります。
いずれにせよ、若い頃よりも骨密度が低くなった状態のことを言います。
女性は閉経をすると、ホルモンのバランスが、骨にカルシウムを保持しにくくなります。
結果として閉経後は、徐々に骨が弱くなります。
いくら、食事でカルシウムやビタミンDを摂っても、骨から出て行くカルシウムの方が多くなっているために、骨の強さを保つことができなくなります。
50歳前後から、急激に骨密度の低下が始まり、90歳ぐらいになると、50歳のときの、約三分の一の骨密度になります。
ということで、女性は、どなたも、いずれは骨粗鬆症という状態になります。
では、骨が弱くなると何が問題になるのでしょうか?
一つ目は物理的に弱くなるために、骨折を起こしやすくなります。
転んだり、何かのきっかけで、簡単に骨折を起こしてしまいます。
骨折の治療には時間がかかります。
骨折の状況にもよりますが、約三ヶ月ぐらいかかるときもありますね。
ですから、骨折を起こしにくい骨に保つことが大切です。
二つ目は、骨の変形を起こしやすくなります。
骨が弱くなると、レントゲンや目に見えない、微細な骨折を起こしやすくなります。
日常生活での腰の負担が、腰椎の微細な骨折を引き起こし、微細な骨折を積み重ねて、腰椎の変形を引き起こします。また、微細な骨折は、慢性の腰痛の原因にもつながります。
腰に強い力が加わると、微細な骨折ではなく、圧迫骨折という状況になります。この場合は、変形だけではなく、強い痛みも伴います。
いずれにせよ、骨が弱くなると、背中が前かがみに丸くなる変形につながります。
背中が丸くなると、背中がつっぱるようになり、慢性的な背部の筋肉痛が出現しやすくなります。
また、肺や心臓、内臓も圧迫されて影響が出ることもあります。
背骨の変形が、身体のバランスを不安定にして転倒しやすくなりますね。
骨粗鬆症になると、骨折を起こしやすくなり、慢性的な腰痛になりやすくなります。
また、一度、変化や変形をした骨は、元に戻ることはありません。
ということで、骨粗鬆症は、予防や治療が大切になります。
さて、では骨粗鬆症の治療は?
また、次の機会にお話させていただきます。