「風に立つライオン」が公開されてしばらく経ちました。
あまり話題に上がってきていませんが、とても素敵な映画です。
さだまさしさんが原作で、とてもいい映像に仕上がっています。
三池監督の演出力が素晴らしさにつながっているのだと思います。
映画として、物語としては、感じること思うことが多い作品です。
さださんの映画には欠かせない存在になっている、大沢たかおさんが主演の作品です。
というか、企画が大沢さんです。
さださんの話を聞いて、ぜひ、映画化をしたいと思っていたとの話を、大晦日のさたさんとの番組で語っていましたね。
医療人として思うことが多い作品です。
ケニアでの医療に燃える青年医師の話です。
混乱期のケニアでの医師としての仕事は、切断と洗浄による創処置ばかりとのエピソードは、なるほどと思いました。
整形外科医として思うところ感じるところがあります。
病院勤務のときに経験した、創の洗浄と壊死組織の切除、切断の処置は、できることならば、あまり、やりたくはない手技であり、処置ですね。
ですが、戦地や混乱している土地では、日常的な処置になっているとは知ってはいることですが、誰しもがやりたくはないのが本音でしょう。ですが、誰かがやらなければ、救われない命も出てくるかもしれません。そんなことを予備知識として知りながら、この作品を観ると、もう少し思いは深まりながら観ることにつながると思います。
大沢さんが、手術や処置の場面をうまく演技できていたのは、テレビドラマ仕込みでしょうか?そういえば、タイムスリップをする外科医の話を演じていたのも大沢さんでした。
糸のこをうまく使って切断をするところを演じていましたね。
切断の手術は、誰しもがやりたくはない手術です。
むなしさしか残らない手術。
そのセリフを聞いただけで、心に響いてしまいました。
大丈夫、グッドジョブというダジャレもかわいいな思いました。
ほとんどがケニアの医療事情や現場を通して、生きるということを表現しています。
少ない日本での場面にも、生きることはこんな感じ、ということが表現されています。
日本は、恵まれています。
長崎の離島でも、それなりに医療が受けられます。
島国であるがゆえに、のどかな民族であることは間違いがありません。
ケニアとの対比で感じることが多くあります。
話は変わり、なぜか主人公が亡くなってしまうのはさだ作品にある傾向です。
人生には終わりがあることを明確に描くことで、生きることを引き立たせようとしている意図が汲んでとれます。
いろいろと仕掛けがあるのが、さたさんの作品です。
さだまさしさんの音楽も、結構、いいんですよ。
たまに、暗い曲もありますけれどね・・・
「風に立つライオン」は、結構、いい映画です。
そして、「風に立つライオン」という曲もいい歌です。
ぜひ、お楽しみを!
恵まれている、いまの日本に感謝です!
この週末、ぜひ、おすすめの一本です。
お昼前後で、観れる映画館が多いようですね。
日曜日の予定の候補に、いかがでしょうか?
素敵な週末をお過ごしくださいね!