工藤君のヘルニアは症状が落ち着いたので、めでたし、めでたしでした。
工藤君の学生のときの痛い思い出です。
では、ヘルニアの治療には、どんなものがあるのでしょうか?
ヘルニアには、消炎鎮痛剤や生活内容の指導で、落ち着くものが、結構、あります。小さくなるタイプのヘルニアは、痛みとうまくつきあいながら、注意深く経過を診ていれば、症状はおさまります。
では、症状がおさまらない場合はどうするのでしょうか?
神経根ブロックというものが考慮されます。このブロックは透視のレントゲンを見ながら、神経に、直接、針を刺して薬剤を注入して炎症と痛みをコントロールする方法です。MRIで精査を行い、痛みの原因になっていると思われる部位に薬剤を注入します。ブロックを二回ほど、行うことで痛みがコントロールできることが多いようです。
ただし、この神経根ブロックによる治療は、神経に、直接、針を刺すので、お薬を入れるときに、かなりの痛みを伴います。脚に電気が走るという表現をされることもあります。ですが、その後、効果があることが多いので試されることが多いのです。
また、施設によっては、神経根ブロックの前に硬膜外ブロックを行う施設もあります。硬膜外ブロックは、神経の外側に薬をまくようにして注入をする治療です。直接、神経に針をさして薬を注入しないので神経根ブロック程、効果は期待はできませんが、針を刺して、薬を注入するときの痛みは、神経根ブロック程はありませんので、痛みが強いときには行われることも多いようです。
硬膜外ブロックでも症状がコントロールできてしまう場合もあります。硬膜外ブロックを行っても症状が継続している場合は神経根ブロックを行うことになりますね。施設によっては、硬膜外ブロックを行わないで神経根ブロックを行う施設もあります。
ブロックに対する考え方は、それぞれの先生で、微妙に考え方が違ってきます。もちろん、クリニックで診療をしている先生と病院で診療をしている先生によっても考え方が違ってきます。
ブロックに関しては、かかられている先生に、よく相談してみてください。