「愛を積むひと」を観てきました。
とても素敵な映画でした。
結論から書くと、泣ける映画で、考えさせられる映画。
そして、観た後に優しくなれる映画です。
感情に訴えることも多い物語でしたが、北海道の魅力も満載の映画でした。
エドワード・ムーニー・Jrという方の「石を積むひと」という原作を日本版にアレンジしたものとのことです。
私は原作は読んでいませんが、原作を読まない方が映画の世界に入れるかもしれませんね。
主演が佐藤浩市さん、樋口可南子さん、芸達者な二人。
樋口さんは王道の演技でしたし、佐藤さんは佐藤さんらしさを感じさせながら、初老の親父を演じてくれました。
少し丸まった背中と、素直に笑えない感じは、佐藤さんらしさが感じられます。
ハードボイルド系なのですが、シャツの下の少し緩んだ感じが、実は、ご愛嬌な感じがします。
やはり、佐藤さんは佐藤さんです。
助演される方によって、引き立てられる俳優さんですね。
俄然、樋口さんや、柄本明さんの存在が、佐藤さんを引き立ててくれます。
樋口さんと柄本さんの演技が素晴らしいということなんだと思います。
北川景子さんも、いつもの蓮っ葉な感じの役ではなく、清楚さの中に情熱を秘めた女性を好演していました。
意外に清楚な役がいいのかもと感じましたね。
今回の役は、清楚そうに見せていて実はというキャラクターだったのもいいのかもしれませんね。
さて、映画として、美瑛を舞台としたことで、勝負あったという感じです。
美瑛の風景は、大きくて、豊かさを感じます。
そして、人を抱えてくれる優しさも感じます。
近頃、北海道がマイブームですが、もっと北海道が好きになれそうですね。
篤さんの暮らした街、蒲田との対比で、際立たせられる美瑛ですね。
また、張り巡らされた伏線が秀逸です。
この伏線が、ストーリーを心に入りやすくさせてくれています。
あとから、ああアレが伏線だったんだと思えてしますのも、この映画のいいところですね。
この映画のメインテーマは、愛とは?
そして、ゆるせるのか?がテーマですね。
愛があれば、ゆるせる?
愛せる?
といいうことを問いかけてきます。
ゆるせるのか?
現代社会において、ゆるす、ゆるさないという関わりを持つ人間関係が生まれることは、そうそうない日本です。
ただし、人間関係が深まると「ゆるす、ゆるさない」という局面が、必ず、関わりの中で生じてきます。
ゆるすことのできる人間関係がどれだけあるのか?
これが、人生に置いての本物の豊かさに通じてくるかと思います。
あなたはゆるせる人間関係がありますか?
家族をゆるせますか?
恋人をゆるせますか?
愛する人をゆるせますか?
ゆるすということは愛するということ・・・
そんなことを投げかけてくる名作です。
美瑛の自然に、手紙というツールを絡めて、人間関係と人生の機微を表現して描いた名作です。
50代の方の心には突き刺さる作品であることは間違いありません。
私も、もうすぐ50、まだまだ40代ですが、ちょっとだけ突き刺さりましたね。
映画って、いいかもと思う作品でした。
愛を、日々、積み重ねて生きていきたいですね!